市川猿之助襲名・市川亀治郎

私が市川亀治郎を知ったのは、NHKの大河ドラマ風林火山」だ。
武田信玄の青年役で出てきたのだが、イケメン好きの私は「なんでこんなブサイクが出てくるの、見る気が失せてしまう」とテレビ画面に向かって言っていた。

しかし、ドラマの中盤から、武田信玄となり、ヒゲを蓄えたりする姿を見て、本当に「これが武田信玄か」と思うくらいにピタリと役にはまっていて、NHKも、どこからこんな役者を探してきたのだろうと、唸っていた。

その後、NHKのスタジオパークなどのトーク番組に出演していたのを見て、すっかり亀治郎ファンの一人となっていた。市川猿扇を叔父に持ち、慶應義塾大学卒という経歴。しかし、トーク番組や、司会業で彼の知識力や考え方の幅の広さを感じ、すごい役者が育っていたんだと感心した。

彼には、市川海老蔵のような、身長・スタイルのよさ・歌舞伎で目立つような目鼻立ちの華などは、ないかもしれない。
しかし、市川猿翁にも流れる思考の泉が、亀治郎の脳にも沸き立っているようだ。市川中車香川照之にも。内面の能力。
これは、市川海老蔵には少し欠けている部分であり、亀治郎が秀でている部分だ。

私のようなイケメン好きは、外見の善し悪しで、物事を判断してしまいがちだが、やはり、のちのち、味がでてくるのは、内面能力によるのだと、昨日のテレビ番組を見て思った…